絵を描いたことがあるなら、誰しも思う。
もっと上手く描きたい!と。
素晴らしい想像やパッションは、いざ紙面へ描きつらねた時、自らの画力によってチープなものになってしまう現実。この落胆とおさらばしたいからです。もしも画力がもっとあったなら…と、何度も何度も悔しい思いをしました。
始めるのはとても簡単な「絵」だけど、その奥深さを知れば知るほど、なんて難しいんだと思い知る。一長一短ではいかないテクニック習得、不毛とわかっちゃいるけど上手い人と比べては劣等感をいだき、自己肯定感を下げる日々。上手くなるために必要なことって何だろう。と考え続けた日々。
推しキャラを上手に描きたい!もっと可愛く描きたい!かっこよい構図で描きたい!と夢中でデッサン力を鍛えた日々よ。
デッサン人形を買うお金はなかったので、ポーズマニアックスの30秒ドローイングには大変お世話になりました。もう無くなってしまったんだよなぁ…と思って検索してみたら、ありました。まじけ。これは大変うれしい驚き。
30秒ドローイング久しぶりにやってみた
うわ〜描き終わらないこの感じ、懐かしい〜〜〜
おそらく10年ぶりくらいです。ほんと楽しい。一時毎日続けていたんですが、私の結論は「これだけじゃだめ」。でしたね。やり続けて明らかに変わったのは構図力が備わったことです。色んな角度で人を描くので、漫画とか描く時に構図がするする浮かぶんですよ。日常って正面から人を見るので何も考えずに描き出すと、たいてい正面になってしまうんですが、ポーズマニアックスのカメラワークは、良いですぞ〜。
筋肉の動きが気になる
どうしても、どうしても筋肉を…胸鎖乳突筋を…美しく描きたくなってですね、美しく描くには構造を知らなければならなくてですね。ネットで調べても、欲しい画像見つからないんですね。そのうち目的を見失って、胸筋とか腹筋に目を奪われて、2時間半くらいネットの波に攫われて、腹が減ってきた時には何の成果も得られませんでした状態で時間の無駄にね、なってしまうんです。困ったときのAmazon先生にですね探してもらったのが「スカルプターのための美術解剖学」です。ケチな私は今までこういう本を買ったことは一度もなかったんですが、断腸の思いでポチったんですね。5,500円しますから。断腸です。漫画本に払う10,000円全く惜しくないんですけど、ハウツー本系一切買わないですから。おそらく初、です。
感想は、一言、「私が求めていたのはこの本だった」。
これは初めてにして、大当たり。これほど有意義な5,500円の使い方が今まであっただろうか。いや、ない!!!
人体の筋肉の構造はもちろん、筋肉を輪切りにしたイラストがまた素晴らしい。腕・指・足・胴体を輪切りにしてくれると、立体を理解しやすい。これを覚えてしまえばあらゆる角度を、想像で描けるんじゃないか、と思わせてくれます。残念ながら私はその境地にいたっていませんが。
そしてこの本のおかげで「縫工筋」と出会うことができました。
左図の赤い帯のようになっているのが「縫工筋」です。大腿を2つの面に分けている薄い筋肉なんですが、良いですね…見れば見るほど。するするとなぞりたくなる「縫工筋」。膝の横の骨に繋がっていてリボンみたい。大腿筋をきゅっと締めています。
うーん悩ましい。
しかしこちらの本は残念ながらイラスト入門の本ではないです。これはあくまでも筋肉のことを知る本です。かつてテルマエ・ロマエの録画を見まくり、阿部さんの筋肉美を描き起こさんと、一時停止をしながら舐め回すように胸鎖乳突筋を見まくっていた人にとっては、この本がバイブルになること間違いありません。どこでも…好きな時に好きな筋肉が…見られるんですから。
欲を言えば、細マッチョ・普通・青年期の筋肉・など年齢別の筋肉のサンプルもっとあったら最高です。この度、頭頸部編が出ていて、これは胸鎖乳突筋チャンスじゃない?と思っているけど、これまた高いので、また腸を断たないといけない。